通信制大学は絶対行くな!殆どの人が卒業できません!【元大学教員が通信制大学の実態を解説】

 大学受験で志望校の選択肢に入る受験生もいるかもしれない「通信制大学」と「夜間大学」。これらの大学は、同じ大学名でも入試の難易度が低い上に学費が安いので、受験生の中で入学を考えている人もいるだろう。

 だが、この記事で詳しく説明するが、これらの大学は「入るのは簡単だが出るのが難しい」という性格を持っており、卒業するのが極めて難しいので、受験に失敗したという理由で入学を希望する人は素直に1年浪人した方が良いと思う。今後の将来を考えると、通信制大学卒業の為に何年も留年するよりも、1年浪人して最短の4年間で大学を卒業した方が、就活や結婚に影響を与えないからだ。

 今回の記事は、通信制大学と夜間大学の特徴を解説した上で、それでも敢て通信制大学に入学したいと思う人に注意点と勉強のアドバイスを、元大学教員(元関東学院大学大学院客員講師)の視点で解説します。

通信制大学と夜間大学の良い点・悪い点

 まずはメリットとデメリットを箇条書きしておく。

良い点

・学費が安い

・入学が簡単(慶應通信のように難しい学校もある)

・アホな学生に流される心配が無い

・昼間よりも勉強に集中しやすい

悪い点

・ノルマが多く、卒業が困難

・学校数が減少傾向にある

・高齢者と親世代は偏見を持っている

・女の子と遊べない

通信制・夜間大学の特徴と実態

リポート提出などのノルマが非常に多く、とても忙しい。故に留年率が非常に高い。

 冒頭でも伝えたが、通信制大学と夜間大学は「入るのは簡単だが出るのは難しい」という性格がある。入試の難易度も同じ昼間大学より低く、中には入試が無い大学もあり、入るのは昼間大学よりも簡単だ。

 だが、以下の理由で卒業は非常に難しくなっている。

 通信制と夜間大学の単位認定は通学課程の大学(便宜上この記事では昼間大学と表す)と異なっている。昼間大学は授業を受けて定期試験受験やレポートを提出し担当教員に成績を付けて貰うのに対し、通信制と夜間大学の単位認定はリポート提出と定期試験(または本レポート提出)の両方をクリアする必要がある。

 なぜ通信制と夜間大学がこうした制度を設けているかと言うと、これらの大学は出席を確認する明確な方法が無いからだ。昼間大学では文科省の「授業日数の3分の2以上の出席を求める」という通達がある為、昼間大学の多くの授業では3分の2以上の出席を要求されている。だが、通信制はそもそも出席の取りようが無く、夜間大学は残業などで通学できない社会人学生もいる為、リポート提出によってそれを出席の代わりとしている。

 厄介なのはこのリポート提出だ。リポートは授業毎に、締め切りが定められているリポート提出を定期的に要求される。昼間大学の授業で定期的に行われる小テストは、単に授業の把握度を調べるものなので、単位認定に大きな影響は受けない。だが、通信制と夜間で必須とされているリポートについては、まず提出しなければ単位認定を受ける為の定期試験受験や本レポート提出の資格を貰えない為、単位取得試験を受けるには毎回リポートを提出しそれを教員に認めて貰う必要がある。

 単位取得の為のスタートであるリポート提出で躓いてしまうと勉強に対するモチベーションが下がってしまう為、通信制や夜間大学で勉強を続ける事が難しくなる。「自分のペースで勉強できる」と考えている人もいるかもしれないが、それは大間違い。単位取得試験の前にリポート提出をして教員に内容を認めて貰う必要がある為、社会人学生は仕事で忙しい上に課題の締め切りに追われて留年してしまう人が多い。

 通信制と夜間大学の卒業率が低いのは、このリポート提出に追われるのが最大の理由だ。昼間大学よりもノルマが多く、ハードなのが通信制と夜間大学の実態だ。遊ぶ暇は無いと思った方が良い。

大学教員がより高度な学力を求めてくる

 多くの大学教員にとって、通信制と夜間大学は社会人の学生が勉強する学校であるという認識がある為、教員が昼間大学よりも高度な学力を学生に要求してくるという特徴もある。

 通信制と夜間大学の単位取得試験は、専門的な問題を中心に作問している。昼間大学は授業の範囲内で作問した試験問題が出されるが、通信制と夜間大学は社会人の実務経験を考慮した授業の範囲外から作問し出題される。

 また、単位取得試験の採点を昼間大学よりも厳しくする教員が多い。例えば、大学の単位は定期試験を課す場合60点以上で単位認定という決まりがあるのだが、昼間大学の学生相手なら仮にボーダーラインギリギリなら単位をあげようという温情主義なのに、通信制や夜間大学の学生相手となるとボーダーを下回ったら容赦なく落とそうと鬼のように人変わりする教員が多い。

 このように採点を厳しくする理由は、社会人学生は就活が無いからだ。昼間大学の場合就活がある為定期試験で難問奇問を作って無駄に留年させるのは無意味なのに対し、通信制大学と夜間大学の社会人学生は「就活が無いなら勉強する時間は沢山あるでしょ、社会人なんだから昼間の学生よりも沢山勉強して貰いたい」と考える教員が多いからだ。勿論、昼間大学と社会人学生を同じ採点基準にすると社会人に失礼だからという理由もある。

 なので、単位が欲しければ昼間大学よりも自分で本やテキストを買うなどして能動的に勉強し、より高度な勉強をする必要がある。

ザル科目が無い

 ザル科目とは、授業に出席していれば単位取得できる楽な科目の事。昼間大学にはザル科目があるが、通信制と夜間大学にはそういう類は無い。リポート提出の項で説明したが、通信制と夜間大学は出席の代わりにリポート提出を求める為、出席だけで単位取得できる楽な授業は無い。

 リポート提出のみで単位取得できる授業もあるが、そうした授業も毎回要求されるリポートを毎回教員に認めて貰う必要があるので、いずれにしても昼間大学よりも大変である。

高齢者と親世代は通信制と夜間大学に偏見を持っている人が多い

 親世代と高齢者の人たちは、通信制と夜間大学は「どうしようもない貧乏人が行く大学」という偏見を持つ人が多い。特に高齢者は偏見が顕著で、筆者は老人ホームの経営者でもあるが、有名大学であっても通信制と夜間大学出身者に関しては見下している老人も圧倒的に多い。筆者は仲の良いホームの入居者と平日の午後にやっている「ゴゴスマ」という番組を一緒によく見るのだが、出演している東国原英夫が早稲田の夜学出身だけど2位で卒業して頑張ったんだよという話をしたら、「夜学で2位じゃ大したことねえな」とドライに言われた事がある。

 現在は学歴フィルターを掛けるような企業を除いて少なくなっているが、バブル期は「夜学出身はお断り」という企業が一般的だった。日本では過去に夜学出身というだけで馬鹿にされる時代があった。親世代や高齢者が通信制や夜間大学に偏見を持っているのはそうした事情がある。

 また、バブル期に働いていた親世代は「学校や仕事は外に出てやるもの」という固定観念を持っている。筆者が顧問を結んでいる会社がテレワークを導入しないのはこの理由がある。通信制大学の場合、子どもが家に籠って勉強するのに抵抗がある親も居る。また、夜間大学の場合、夜遅くに学校に行くのはみっともないと考える親も居る。そんな時代錯誤な親が居る場合、通信制や夜学に行きたいと子どもが話したら、まず反対されるだろう。

 社会人以外の受験生が通信制大学や夜間大学に進学を希望する場合、学費を払ってくれる親を説得しなければならない場合がある。若い親や寛容な親なら良いが、高齢な親や頑固で無知な親だとこれを説得しなければならない為、入学したいなら親を説得する必要があるというハードルもある。

 ただし、この点は今後デメリットにならない。高齢者と親世代は今後消えていく存在だからだ。

通信制や夜間大学に入学したい人に伝えたい注意点

 ここまで通信制大学と夜間大学についてネガティブな事を書いてきたが、それでも入学を希望したいと思う人に注意点を書いておく。

能動的な勉強を継続する

 上記したように、通信制大学と夜間大学は昼間大学よりもノルマが多く、非常に忙しい。また、教員が高度な学力を求めてくるので、昼間大学と同じような薄っぺらい勉強量では卒業が難しい。

 最短で卒業したいなら、授業で教わる内容を越え、自分で勉強すべき内容を発見し、能動的な勉強を継続できる人間である必要がある。

 例えば、社会福祉学の「地域包括ケアシステム」に関する授業を受講するなら、地域包括ケアシステムに関する文献は勿論、介護制度の課題やそれに付随する地域の課題まで自分で調べる。調べる為には本屋に行き、関連する文献を読んで勉強する。教員に「あれやりなさい」「これやりなさい」と言われて受動的に勉強するのではなく、自分から能動的に勉強する姿勢を作る。

 「自分のペースで勉強できるから楽」だと思ったら大間違い。もし入学を考えている人がいるなら、4年間は、留年すればそれ以上は、課題の締め切りに追われると覚悟した方がいい。

「何年留年しても構わない」という心意気で勉強する

 通信制と夜間大学は先も説明したように、留年率が非常に高い。慶應通信のように卒業生の数を公表しない学校もあるが、これは留年率が極めて高く、卒業生の数も著しく少ない為、公正なデータとして公表できないからである。それだけ卒業が難しいという事だ。

 入学するなら何年も留年する覚悟で(ただし在籍できる年数は決まっているが)、長期的な視点で卒業を目指そう。結婚は卒業してからだ。

本気で勉強に没頭したい人は入学をお薦めしたい

 昼間大学ではアホな学生に流されて勉強しなくなる学生もいるが、通信制と夜間大学は他学生との交流が遮断されている為、アホな学生に流される心配が無いのはメリットである。

 昼間大学のゼミナールだと、アホな学生と一緒にグループワークをやらされて思うような勉強ができない事があるが、通信制や夜間大学の場合学生の意識が比較的高い人が多いので、グループワークも安心して勉強しやすい。

 筆者は地元で社会科の家庭教師をしていた頃「昼間じゃ入れないから通信に行って社会人学生と交流したい」という受験生の声を聞いたことがあるが、実は通信制と夜間大学は社会人学生と交流できる機会はほぼ無いと言って良い。社会人学生は仕事もあるので忙しいからだ。

 大学によってはオンラインでコミュニティを開いている所もある。交流を深めたい人はコミュニティを利用する方法もある。ところが、通信制と夜間大学は交流を深めたいという学生が少なく、サークルも「通信や夜間はお断り」という所も多いので、他学生と交流を深めたい人や、サークル活動をやりたい人や、女の子とデートしたい人は素直に昼間大学に行った方が無難だ。

 孤独感に苛まれるリスクがある反面、独りで勉強に集中したい人は、昼間大学よりも高度な勉強ができる上にアホな学生に流される危険も無い為、お薦めである。

 だが、何度も繰り返すように、メリットと同時に卒業できない可能性もあるというデメリットも把握しておこう。

(HIROKI)