2月にマリウポリ陥落を忠告した元大学教員HIROKI、「2月に避難指示しなかったウクライナ政府にもマリウポリ陥落の責任がある」

今月21日に、ロシア政府がウクライナのアゾフ海に面する港湾都市マリウポリの掌握を発表しました。

本誌代表HIROKI(元関東学院大客員講師、現在老人ホーム経営者)は今年2月にマリウポリ陥落を当サイトで忠告していましたが、それが現実となってしまいました。

今回のインタビューでは、マリウポリ陥落について同氏に伺いました。

※聞き手、武井誠治(「紅・勝ち組クラブ」代表)インタビューはオンライン、4月21日夜に行いました。

キーウ攻略を諦めないプーチンの勘違い

武井「HIROKIさんは2月にマリウポリ陥落をネット上で警告しましたが、実際に陥落してしまいどう思われておりますか」

HIROKI「その前に、前回のインタビュー(今年3月8日)で僕はてっきりプーチンが計画を立ててキーウ攻略を目指しベラルーシから侵攻したんだと言ったのですが、まさか偽情報を基にベラルーシから侵攻したとは夢にも思っていなかったので、驚きました」

武井「キーウ陥落を目指しベラルーシから進んだロシア軍の動きは徐々に停滞しました」

HIROKI「ベラルーシに軍を配備した時点で、しかも10万以上も、キーウに侵攻すると僕は思っていたので、1月に「キーウ侵攻あるよ」とこのサイト(STADYPLUS)で警告したんですが、Googleのアホが非表示にしたせいで(ブチャで)市民が大量虐殺される結果になりました。グレンコ・アンドリー(ウクライナの政治学者)の本『プーチン幻想』にもありますが、ロシア人って国土にとてもこだわりを持っている国民性らしいんですね。日本の北方領土を実効支配しているのも「日本は敗戦国だからロシアが手柄として支配しても構わないでしょ」とロシア人は考えているから。歴史論文に「ウクライナは歴史的にロシアのもの」だとプーチンは明記したし、性格上キーウ攻略はまだ選択肢の一つに残っているはず。なのでキーウ撤退をもって今後キーウ侵攻の可能性がゼロになった訳ではないと僕は思います」

武井「ウクライナ軍はキーウを中心に防御を固めていたため、現在ロシアの攻撃が活発化する東部は手薄になってしまったという欧米メディアの指摘もあります。マリウポリ陥落から5月9日(ロシアの戦勝記念日)までにウクライナ東部をロシアが掌握する可能性もありますね」

HIROKI「モスクワ(ロシア軍旗艦)の沈没が無かったらね。これはアメリカ軍が恐らくウクライナ側に密かに(旗艦の)位置を伝えていたんだと思います。そうでなければ旗艦を沈没させるなど無理です。旗艦が沈没するまでは陸にいるロシア軍の援護ができたけど、旗艦が沈没し攻撃を避けるために他の軍艦も下がってしまったから、アゾフ海から陸にいるロシア軍を援護することができなくなり、マリウポリ掌握にも時間がかかりました。それに加えて陸にいるロシア軍はのろい戦車を中心に動いているため、東部全域を9日までに掌握することは難しいと思います」

武井「そうなるとロシアが9日に勝利宣言でアピールすることも難しくなりますね」

HIROKI「マリウポリ掌握でアピールするんだと思います。そもそも、彼ら(ロシア人)は戦争と思っておらず、東部にいるロシア人を守るための特別軍事作戦と思っているので、マリウポリ掌握でも情報統制がきついロシア国内に有効なアピールになります」

今年2月にマリウポリ陥落を予想できたワケ

武井「HIROKIさんはなぜ2月にマリウポリが陥落すると思ったのですか」

HIROKI「2月の段階で北部、東部、南部の3方向がロシアに包囲されていたからです。北部は親ロシア派勢力、東部はロシア本土、南部はクリミア半島と包囲され、おまけにアゾフ海もロシアの警備隊が実効支配していました。実際にウクライナの船舶が警備隊に拿捕されるという事件もありました。さらにNATOはロシアとの全面対決を避けるため軍事介入はできない。こうしたロシアに実効支配されている状況でマリウポリへの支援が期待できないウクライナが太刀打ちできる戦法は籠城しかありません。製鉄所に、マリウポリは不凍港かつ有数の工業地帯でもありますが、ウクライナ軍の精鋭部隊であるアゾフ大隊の一部とマリウポリ市民の一部は製鉄所に現在も立てこもっています。でね、僕が引っ掛かったのはプーチンの「ハエ一匹も出てこないように製鉄所を包囲しろ」という命令です。プーチンは製鉄所に最終攻撃をあえて仕掛けていません」

武井「それはどうしてですか」

HIROKI「プーチンは製鉄所に籠城するウクライナ人を飢え死にさせようと考えているんだと思います。補給路は断たれているし、餓死させればロシア軍は無駄な兵力を使わなくて済むから。だから最終攻撃を今の段階ではしていないんですね」

武井「惨い考え方ですね」

遅れたマリウポリの避難

武井「製鉄所に避難する市民の動向が心配ですね」

HIROKI「はい。本来なら先も言ったように包囲されている状況で、しかも僕は2月にパークハイアット東京で欧米のニュースを毎日見ていたけど、欧米のテレビ局は2月の段階で連日のようにウクライナ侵攻を報道していたから、もっと早めに避難行動を取るべきだったと思います。これはマリウポリだけに限ったことじゃないですがね。いざ侵攻が始まり、ウクライナは徹底抗戦の構えですが、侵攻が始まる前にウクライナ政府が避難指示を出すべきだったはずです。それがゼレンスキーは「アメリカが侵攻をまくし立てているだけ」だとしてウクライナの人達に安心してくれというメッセージを送ってしまいました。だから避難が遅れてしまった責任がウクライナ政府にあると思います」

武井「侵攻が始まる前に隣国と受け入れ態勢を取るべきだったということですか」

HIROKI「ポーランドとはスムーズに避難できているので事前に話し合っていたと思うけど、マリウポリの場合は包囲される状況でも侵攻前は自由に移動ができたのだから、移動できる時にするべきだった。もう今はロシア軍がマリウポリを支配しているのでマリウポリからポーランドに避難は無理ですが、そうなる前にゼレンスキーが避難を促すべきだったんじゃないかなと思っています」

騙された「ブダペスト覚書」

武井「ウクライナ政府は男性の出国を禁止していますが、これについてはどう思いますか」

HIROKI「僕は適切ではないと思います。戦争は一般市民を巻き込んでやるものではないし、コメディアン出身のゼレンスキーやウクライナ政府の対応が後手後手に回っているせいでロシアの軍事侵攻が起きているのに、そのツケを国民に払わせるのは昔の日本帝国であった召集令状を彷彿させます。そもそも、ゼレンスキーって俳優から大統領になった人物だけど、就任直後の支持率は低かったんですね。「俳優としては優れていたけど実際に大統領になったら駄目じゃねえか」と国民に思われたんです。そこで彼は支持率上昇を狙って東部の親ロシア派支配地域を空爆したんです。この空爆が、プーチンの主張する「ウクライナに虐げられるロシア人を保護する」という今回の侵攻の根拠の一つにあるんです」

武井「少し伺います。後手後手に回っているというのは具体的に解説願えますか」

HIROKI「ウクライナはロシアやアメリカと1994年に「ブダペスト覚書」という約束をしました。この約束は簡単に言うと「ウクライナがロシアに核兵器を渡す代わりにロシアはウクライナに侵攻しないでね。もしウクライナで有事が起きたらアメリカが守ってね」というものなんです。結局、ロシアは簡単に約束を破棄しましたが、この約束は「有事が起きた場合は国連の安保理においてアメリカが支援するという条項があり、それがこの約束の盲点になっているのです。安保理の常任理事国は拒否権を持っており、侵攻の当事者であるロシアが常任理事国なので、この覚書って意味が無いものなんです」

武井「なるほど。安保理の常任理事国にロシアがいるためブダペスト覚書は役目を果たさないということなんですね。では、ウクライナはロシアやアメリカに騙されてこの覚書に署名してしまったんですか」

HIROKI「アンドリーさんはそう本に書いていますね。ウクライナにとっちゃロシアに核を渡したんだからまさか同じ国だった同士が侵攻してこないだろうと思っていたはずです。ですがウクライナ政府にとってその甘い考えが間違いだった。それで、徹底抗戦を優先するあまり避難が遅れてしまい、攻撃に対する対応が後手後手に回っているんです。確かにネットではウクライナが頑張っているところもあるけど、仮想空間を制しても実際の戦場で勝てなければ無意味ですからね。ネット弁慶と一緒で」

ウクライナはアメリカに振り回される国

武井「ウクライナからすれば「あの時核をロシアに渡さなければ・・・」という後悔もあるんじゃないでしょうか」

HIROKI「アメリカにとってみれば冷戦終結後旧ソ連のウクライナが核保有国であるという事実は認めたくなかったので、覚書に署名させたという時代背景があります。ウクライナからすればアメリカが守ってくれるという神話を信じて署名しました。後悔もあるだろうけど、アメリカに対して「もっと兵器よこせ」と怒ってもいるはずです。ウクライナって冷戦後からずっとアメリカに振り回されている国だなと思っています。核を渡せば守ってやると言いながら、拒否権を持つロシアがいるから実質的に軍事介入できない。で、今続いている軍事侵攻ではバイデンが息子のウクライナ疑惑のせいでウクライナに関与したくないと思っており、物価上昇をロシアのせいにすることで今年秋の中間選挙のアピールポイントにしようとしています。ウクライナにとってみればバイデンになったせいでとても悪いタイミングで軍事侵攻が起きてしまったのだと思います」

経済制裁は意味がない?ウクライナ侵攻は国連に責任がある

武井「それでも軍事支援を続けるバイデン政権は支援の背景に政治的な意味がありそうですね」

HIROKI「昔プーチンのことを人殺しと言ってバイデンが個人的にプーチンを嫌っているというのも支援の理由にあるけど、直接的な軍事介入は無理だからとりあえず武器は送っておかなければ中間選挙で叩かれるのは必至ですからね。だからといって欧米や日本が経済制裁をする意味はあるのかなと疑問に思います」

武井「それなはぜですか」

HIROKI「この前にドバイのシャネルで拒否されたロシア人が怒ってシャネルのバッグを切る動画がありましたよね。シャネルのバッグってハサミで簡単に切れないので僕は模造品を切っているのだと思っていますが、それはさておき、制裁をすることで逆にロシア国民が「欧米のくそったれ」と逆上し戦意高揚に繋がる側面もあるし、制裁をするせいでエネルギー価格の上昇にも繋がり、欧米ロシア両者ともに共倒れしてしまうというリスクをはらんでいます。僕は経済制裁よりも国連がもっと動くべきだと思っています」

武井「ロシアが安保理で拒否権を保有しているため国連が機能していないのは事実ですね」

HIROKI「中国によいしょしてコロナを広めたWHOもそうですが、国連って大国のものになっていて、日本が世界3位の分担金を払っている(外務省ホームページより)世界のヒモになってしまっています。僕は去年潰瘍性大腸炎とコロナ後遺症になるほど働いてじゃんじゃん稼いでGoogleにいるアホたちの10倍も納税しているから税金に対してうるさい性格だけど、3位の分担金を納めている組織が無能の集まりなら、なんかそれって日本が中国からカモられているだけじゃんと思っています。もう少し日本の右翼にいる人たちや高額納税者は、日本を愛しているなら国連の分担金についてなんで文句を言わないのかなと疑問に思っています」

聞き手:武井誠治

ウクライナ情勢は現在進行中であり、インタビュー掲載後にインタビュー内容と大きく情勢が変動する可能性があります。