【円安高騰】中古の腕時計を買う際の注意点【中古時計店がアドバイス】

現在、円安の影響で輸入時計の価格が高騰を続けております。また、SDGsの観点からテレビ番組では中古品の買取が話題になり、芸能人の査定額で盛り上がりを見せています。

こうした中古品が注目されている中、高騰を続ける新品ではなくお手頃な中古品を購入することを検討している方もいらっしゃるだろうと思います。

本日の時計コラムでは中古腕時計をを買う際の注意点をまとめました。

中古品のメリット

中古品のメリットは割安感があることでしょう。

ロレックスのスポーツモデルのような一部を除き、中古は新品よりも安く手に入るのは魅力的です。例えば、定価72万円のIWCポートフィノクロノグラフの場合、こちらのお店ですと中古価格は495、000円と設定されております。IWCの場合、中古品も同じメンテナンス料金になるため、中古品の方がお得感があります。

中古品を購入する際の注意点

次は中古品を買う際の注意点についてお伝えします。

注意点1. 中古品のオーバーホール費用を高く設定するブランドがある

セイコーやシチズンのような日本のブランドにはありませんが、輸入時計の場合中古品のオーバーホール費用を高く設定するブランドが一部でございます。

例えば、ブライトリングは新品で販売する全ての時計にシリアルナンバーを設定しており、それをユーザー情報と紐付けて管理しております。これはギャランティカードを紛失した場合に登録されたデータがその代わりの役割を担えるというメリットがあるからです。しかし、ブライトリングは新品以外の時計のオーバーホール費用を2倍に設定しております。ですからブライトリングを中古品で購入した場合、後のメンテナンス費用が高くなることも考慮しておく必要があると言えるでしょう。

また、フランクミュラーはギャランティと購入時のレシートが掲示できない方のオーバーホールを一切受け付けておりません。しかし、フランクミュラーは中古品で購入したとしてもギャランティとレシートが掲示できれば修理を受け付けております。修理のためにギャランティとレシートまで要求しているのは少々面倒ですが、掲示できた場合でも部品保有期間を過ぎたという理由で修理を断られたというケースも実際にありました。ですから、フランクミュラーを購入希望される方は中古品ではなく新品で買うことを前提として考えるべきでしょう。

ちなみにですが、ブライトリングとフランクミュラーでは新品で購入した場合、ユーザー同士のパーティーへの招待といったイベントがあるそうです。この2つのブランドは中古よりも新品で購入したほうが、高額になりますがメリットが多いかもしれません。

注意点2. 並行差別を設けるブランドはリセールバリューが著しく低い

ロレックスデイトナやオーデマピゲロイヤルオークのような一部例外を除き、ほとんどの時計はリセールバリューが低くなっております。

さらに、例えば先ほど例に挙げたブライトリングとフランクミュラーは並行差別(新品以外の時計の修理費を高く設定すること)があるため、質屋などの買取価格が著しく低く掲示される場合がほとんどです。とりあえず着用したいという理由で中古品を購入する場合は、売却価格を想定しつつ買うことをお勧めします。

また、この記事を担当する武井が主催する「紅・勝ち組クラブ」では、「レンタウォッチ」という時計レンタルサービスを今年6月から開始する予定です。とりあえず着用したいと考えている方は、中古品購入以外に、時計をレンタルするという選択肢もお考えいただけますと幸いです。

注意点3. ギャランティーが無い中古品は売却時に大幅減額となる、修理対応が後回しにされる場合がある

ギャランティーが付属していない中古品は売却する際に大幅な減額となってしまいます。なぜかと言いますと、中古店が該当時計をリセールする際、購入者はギャランティカードがない時計よりもある時計を買う傾向があるからです。ギャランティカードがない時計は、一部例外を除き、中古店は売れずに在庫として残ってしまうというリスクを承知で買取をするからです。在庫として残った場合、中古店としてはそれを管理維持しつつ、「レンタウォッチ」のようなレンタルサービスへ提供するといった方法で利益を確保する必要が出てきます。

また、ギャランティカードが無い中古品を正規修理に出した場合、修理対応が後回しにされる場合があります。これは、ブランドとしての方針が理由や、スイス時計師がギャランティカードがあるものを優先して修理することがあるからです。実際にブライトリングのギャランティカードがない時計の修理で、スイス送りとなった挙句購入者様に戻るまで8ヶ月もかかったというケースが過去にありました。

売却を前提に中古品を買う場合、中古品を買う際は付属品の有無にも確認しておくことが大事だと思われます。

注意点4. ムーブメントに他社部品が使用されている場合がある

中古品では、前のユーザーがオーバーホールを行った際にムーブメントに他社部品を使用している場合があります。正規修理ではこうしたケースはないですが、市井の時計修理店ではオーバーホールで行う修理に他社部品を使用することがあります。

ロレックスやパテックフィリップでは、他社部品がムーブメントに使用されていることが確認された場合、オーバーホールを拒否されてしまいます。ロレックスやパテックフィリップの中古品を買う際は内部機械にも注意する必要があります。また、それ以外のブランドでも該当部品が全て交換となるため、部品代がかかるというデメリットもございます。ムーブメントを一式取り替える場合の修理ですと、おおよそ数十万円以上の修理代がかかってしまいます。もし可能であれば、中古店で機械点検を行ったかどうか伺うのも良いと思います。

注意点5. 流行に乗った時計は修理不可能になるリスクやリセールバリューが下がりやすい傾向がある

宝飾品ブランドやファッションブランドが過去に販売した時計はリセールバリューが下がりやすい傾向があります。なぜかと言いますと、こうしたブランドは流行を重視し、その時代の流行に乗った新作を次々と発表し、過去の時計は価値が下がるからです。

特にルイ・ヴィトンの中古時計を買う際は注意が必要です。革製品は中古でも大変人気があるブランドですが、腕時計に関しては同価格帯でロレックスやIWCやジャガールクルトなどのような時計専門ブランドが多くあるため、熱心な時計愛好家からは敬遠される実態があります。ルイ・ヴィトンは流行に乗って新作をどんどん発表しているブランドのため、過去の時計は修理を断られ、飽きて売却してしまうというデメリットもあります。ブランド名は圧倒的に高いですが、中古購入を考えている方は注意です。

まとめ

本日のコラムでは中古時計を買う際の注意点についてまとめました。

中古品を買う場合、最も注意すべきポイントはギャランティカードの有無になると思います。並行差別のないブランドの場合はこれがあるだけで正規修理がスムーズに行われますし、売却時に大幅減額査定されるリスクもありません。

また、その中古品が新品としてデビューした年にも注目です。アンティークウォッチのような古い中古品は修理を断られますし、受け付けてくれた場合でもムーブメント丸ごと交換となるため莫大な修理代がかかってしまいます。しかし、中古品が比較的新しい時計の場合、新品で販売されてから年数が経っていないため長く使える場合が多いです。

以上のポイントを押さえつつ、円安で高騰を続けるなかでも中古品を安心して購入できれば幸いです。

記事執筆者:武井誠治