【実機レビュー】ロレックス(サブマリーナデイト)

 ロレックスサブマリーナデイトは、ロレックスのスポーツモデルの中でも人気の高いモデルだ。現在ではロレックスの供給制限と、コロナ禍の減便も相成り、正規店では在庫が無い状態が続いている。

 ダイバーズウォッチは、本来フォーマルな場では不適切だとされてきた。しかし、007シリーズでショーン・コネリーがNATOベルトと組み合わせたサブマリーナをタキシードの袖越しに着用したことで、ダイバーズウォッチの世間的な見方が見直された。ダイバーズウォッチが時と場を選ばなくなったという意味で、サブマリーナがダイバーズウォッチの歴史を大きく変えたと言っても過言ではない。

 サブマリーナは2020年にモデルチェンジが行われたが、筆者の所有するモデルは先代である直径40mmのもの(116610)である。現在は、ジェームズ・ボンド同様、NATOベルトに交換している。

良い点と悪い点

良い点:

・圧倒的な人気と知名度がある

・ヘッドとブレスレットのバランスが良い

・ランニングコストが安い

悪い点:

・正規店では在庫がほぼ無い

・ブレスレットの繋ぎ目がチープ

・ガラスが反射しやすい

・永久修理ではない

良好な着用感

 サブマリーナは、ヘッド(時計本体)とブレスレットの厚さと重さがほぼ同じなので、着用感が良い。反対に、オメガのシーマスターは全体的に170gも重量があるうえ、ヘッドが重過ぎるので、ヘッドに腕が引っ張られる感覚が辛かったが、サブマリーナはそういった不快感は感じない。

チープな外装

 時計本体は、リューズを締め忘れても防水性能が働くトリプルロックのクラウンに、簡易アジャスター付きの安定した二重ロック式バックルと、高い機能を備えている一方で、ブレスレットの繋ぎ目がロレックスにしては雑で、ヨレやすく、長期使用すると経年劣化が進みそうな印象を受ける。個人的には、同じく所有しているブルガリの時計の方がピン止めであるものの、ブレスレットの造りはしなやかで、上手である。

 海水の中で使用することも想定されるダイバーズにも関わらず、ブレスレットの繋ぎ目が雑だと錆びが発生しやすくなる。ダイコンが主流の時代でこの時計を水中で使う人が居るかどうかは別として、仮に水中で使用するなら、ベルトは交換した方が良さそうだ。自分がNATOベルトに交換したのはそういう理由もあるのだが、黒サブの顔つきを考えると、ブラックのラバーストラップに交換しても似合いそうだ。

視認性

 太陽光の反射と視認性がダイバーズウォッチの課題になるが、サブマリーナはブライトリングのスーパーオーシャンのようにガラスに無反射コーティングはされておらず、残念ながら反射は防げていない。慣れれば大丈夫だろうが、技術面で数多くの特許を取得しているロレックスにも関わらず、ダイバーズウォッチで反射が起きてしまうのは残念な点である。

デイトかノンデイトか

 クイックチェンジのデイト機能は付いているが、個人的にはノンデイトの方がすっきりとした文字盤で、ノンデイトでも良いような気もする。元々、ノンデイトの時計だったので、コネリーボンドの時代を知る筆者からすれば、ノンデイトの方がしっくりくる。日付確認が不要なら、デイトに拘る必要はないと思われる。

25年間の部品保有期間

 ロレックスは部品保有期間を25年間と定めており、「時計の王者」を自称しているにも関わらず、残念ながら永久修理体制は取っていない。

 ダイバーズウォッチの場合、高い防水性能を保持する為オーバーホール時に高度な修理が必要となり、それを考えるとデイトジャストのような他の普通の時計よりも修理不可能になる時期を迎えるのは早いと思われる。

 プレミア化しているスポーツモデルだが、頑張って手に入れることが出来たとしても、孫の代まで相続させられるような時計にするのは難しい事は頭に入れておく必要がある。

総評:自慢できるが、プレミア価格で買う程の時計ではない

 非常に高い人気を誇る時計なので、手に入れることができれば自慢はできるだろう。その割に、いざ手に入れてしまうと「なんだ。こんなものか」と思ってしまう程、外装の造りが良くなく、正直、マラソンやプレミア価格で手に入れる程の価値は見いだせない。実際、雲上ブランドと比べると質感の違いが明白だ。

 筆者は本誌編集者の外商ルートでサブマリーナを手に入れることが出来たが、この時計をプレミア価格で買うのであれば、同じ金額で職人技が光る雲上を買った方が、所有者が高齢になった時に満足できると思う。

 精度が高いとか、資産になるといったメリットは、ロレックスなので当然のこと。貴金属も入っていないただのダイバーズウォッチにも関わらず、筆者のモデルの定価は874.800円、最新型は965.800円と価格改定を行い、プレミア化を進みつつあるロレックス。だが、そこまでの価値があるかと言われると、無いというのが正直な感想。もし、今後100万円を超えるなら、筆者は絶対に買わないし、はっきり言ってステンレス製の時計でその値段は愚かだ。

 時計の王者を自称するロレックスなら、外装の質がセイコーと同じでは駄目であり、製造量を限定する程プレミア路線を進めるのであれば、もっと高いレベルで製造して貰いたい所だ。

(HIROKI)