ロレックスやオメガなど、時計業界を代表する7大ブランドの解説【武井・北口の腕時計コラム】

腕時計の世界には7大ブランドというブランドが存在します。

7大ブランドとは、ロレックス、オメガ、IWC、ブライトリング、タグホイヤー、パネライ、ゼニスです。これらのブランドはブランド力と価格帯、そして購入後のメンテナンス費用において広い範囲でニーズがあることから、非常に高い人気を持っております。

今回のコラムでは7大ブランドをそれぞれご紹介していきたいと思います。

ロレックス

ロレックスは誰もが知る超有名時計ブランドですね。こちらは、今でこそスイス時計の雄ですが、創業はスイスではなくイギリスでした。着用したままドーバー海峡を渡ったことでオイスターケースの防水性が証明され、今では当たり前にあるあらゆる機能を発明しました。

現在ではスポーツモデルの価格が上昇傾向にあり、スポーツモデルの供給量が制限されているため正規店では購入が難しくなっております。正規価格が高騰しておりますが、その安定したブランド力から購入層も幅広く、ロレックスを1本持っておけばどのシーンでも使い通すことができ、値崩れも起こりにくく、総じて長く使いやすい時計だと言えます。

ロレックスの長所:
①知名度が極めて高く、目見るだけでロレックスを着用しているとすぐ分かることができる
②値崩れしにくく資産になりやすい。一部モデルは定価を超える売値で売却できるものもある
③一般的なオーバーホール頻度は4~5年に1回と言われるが、ロレックスは部品の耐久性が高いため10年以上オーバーホールなしでも極端な精度の乱れがない個体も存在する
④サブマリーナやデイトジャストはこれまで大きなデザイン変更がなく、流行に左右されず長く愛用しやすい
⑤スイスで特許取得の技術を数多く持っている

ロレックスの短所:
①デイトナやサブマリーナなどスポーツモデルが品薄状態
②バブル期は購入しやすい個体もあったが、現在は高額な価格設定をとり高級路線を進み始めている
③オーデマ・ピゲのような雲上ブランドと比較すると外観の質が劣る
④シースルーバックになっていないのでムーブメントを見ることができない
⑤エクスプローラーⅠは人気モデルだが、ロレックスの中では下位モデルのため
⑥エクスプローラーⅡやGMTマスターなど一部モデルは日付早送り機能が搭載されていない
⑦25年間の部品保有期間があるが、永久修理ではないため製造終了より長期間経っているアンティークは修理を拒否される。一生ものにすることは可能だが、オーナーがいなくなった後の孫の世代まで受け継がせるような時計にすることは難しい

オメガ

オメガも知名度が高いブランドです。オメガはアポロ計画でスピードマスターがNASAに採用され、オリンピックで公式タイムキーパーを務めているブランドです。

ブランドの歴史はロレックスよりも長く、現在ではマスタークロノメーターといった高耐磁ムーブメントなど最新の技術をいち早く取り入れているブランドです。最近、新しい工房ができたため保証年数が5年に延長されました。

知名度と実用性で選ぶのであれば、オメガは非常にコストパフォーマンスが高いブランドとなります。

オメガの長所:
①家電量販店ではリーズナブルな価格で購入ができる
②正規店以外で新品購入しても保証内容は正規店と同じ内容を保証
③耐磁性、オーバーホール期間の延長など、マスタークロノメーターを搭載したモデルは実用性抜群。8~10年に1回オーバーホールをするのであれば、コストパフォーマンスは高いといえる
④スピードマスターやシーマスターは所有者が多く、飲み会の話題合わせやトラブル時の相談がしやすい
⑤リューズの作りが堅実で操作しやすい

オメガの短所:
①正規価格は上昇傾向にある
②人気のムーンウォッチはプラスチック風防で防水性も低く壊れやすい。手巻きなので定期的に巻かなければならない
③オーバーホールの料金が上昇傾向にある。スピードマスターのようなクロノグラフのオーバーホールは10万円以上を覚悟しなければならない
④正規店以外で新品購入しても同じ保証で、オーバーホール時に正規ブティックへ持ち込むと手数料が取られるため、高額な正規店で購入する動機が見出しにくい
⑤一般的にロレックスよりも下に位置するブランドと見られやすい

IWC

IWCは日本でも時計が好きな方から愛されているブランドですが、海外では高い知名度をもつブランドです。上品なクロノグラフのポルトギーゼは人気が高く、大野智さんや鈴木亮平さんなど芸能人の方でも所有者が多くいらっしゃいます。

シンプルなデザインが多く、主張せずさりげなく高級時計を身につけたい方にはお薦めのブランドです。また、7大ブランドで唯一永久修理を掲げていますので、一生モノの時計を所有したい方にもお薦めです。

IWCの長所:
①7大ブランドの中で唯一永久修理を掲げている
②長く所有できるようにアフターサービスが充実している
③ポルトギーゼの上位機種は自社ムーブメントが搭載された
④正規店で購入すると8年まで保証が延長される(WEB登録必須)

IWCの短所:
①シンプルなデザインなので物足りなさを感じることがある
②低価格帯モデルは凡庸ムーブメントが搭載されている
③アクアタイマー以外のモデルは60M防水や30M防水など現在一般的な100M防水よりも低い
④永久修理を掲げているが外見部品にストックがない場合代替部品を使用される

ブライトリング

ブライトリングは、純度の高いステンレスを使用したポリッシュの輝きと、時計は計器であるという理念のもとにクオーツを含めた全てのモデルにクロノメーター規格認定を受けさせるほどの高い精度を保証するブランドです。2度の大戦でイギリス空軍にパイロット用の時計を生産したことから、航空業界と接点を持っております。

他のブランドが価格を上げるなか、フラッグシップであるクロノマットは日本向けに価格を下げるなど、日本限定モデルが多く展開されています。ピカピカ輝くステンレスケースの派手さから、IWCとは反対に主張をされたい方にはお薦めできるブランドです。

ブライトリングの長所:
①低価格帯から全てクロノメーター規格認定を合格している
②ポリッシュケースで使用される高純度ステンレスの質感が極めて高い
③正規ブティックでは買い替えの際に所有するブライトリングの時計を下取りすることができる(例外あり)④正規店で購入するとクラブ・ブライトリングに加入でき、イベントなどに参加できる
⑤モデルによっては外見をカスタマイズすることができる

ブライトリングの短所:
①頻繁にモデルチェンジをしているので、高価格帯モデルを購入しても一生ものの時計にすることは難しい
②クロノマットのようなデザインが派手なモデルは着用できる場面が限られる
③ブライトリング製クロノグラフムーブメントは時計業界から高い評価を受けているが、限定モデルを除き多くのモデルでシースルーバックになっていないためムーブメントを見ることができない
④ブライトリングのクロノグラフは文字盤が複雑に描かれているので時刻が見づらい時がある
⑤正規店以外で購入した場合オーバーホール費用が2倍になる
⑥モデルチェンジが非常に多いため保有期間の過ぎた部品は処分され、スイス本国から部品を調達するためにオーバーホールでスイス送りになると半年以上時計が戻ってこない場合もある

タグホイヤー

タグホイヤーはモータースポーツと造詣の深いブランドです。過去にF1の公式タイムキーパーを務め、アイルトン・セナはタグホイヤーの時計を愛用しておりました。

10万円からエントリーできるリーズナブルな価格設定から、高級時計の入門ブランドとしても人気が高いブランドです。また、機械式クロノグラフで30万円台から、トゥールビヨンを搭載したモデルも他ではあり得ない100万円台で購入できるなど、高価格帯でも高いコストパフォーマンスを持っております。

コスパ重視の機械式クロノグラフを探している方はお薦めです。

タグホイヤーの長所:
①リーズナブルな価格。特にクロノグラフが他ブランドでは考えられない低価格
②数多くの有名人やアスリートがアンバサダーを務めており、知名度が高い
③スポーティーなデザインが若年層に好まれやすい
④日付早送り機能が付いている

タグホイヤーの短所:
①コストパフォーマンスを優先しているため、自社ムーブメントでも凡庸ムーブメントをベースにしている
②正規店以外で購入するとオーバーホール費用が割り増しになる
③時計修理店によると、クロノグラフのプッシュボタン破損、アクアレーサーのリューズがねじ込みにくくねじ込み部分が破損してしまうといったトラブルが多い。低価格を売りにしている分、細部の作りこみが甘い
④フォーミュラーワンはかつて4万円台で購入できるクオーツ時計として展開されていたので、セナ・プロ時代を知るF1ファンからは低価格のクオーツ時計のブランドと見る人もいる
⑤人気のある機械式アクアレーサーはパワーリザーブが38時間と短め。ラバーとステンレスモデルの価格差がほぼない

パネライ

パネライは元々、イタリア海軍のための軍用時計を製造していた精密機器メーカーでした。パネライはイタリア軍との契約のため一般向けの時計は製造しておりませんでしたが、1993年から一般向けに時計を製造し始めました。

大きなケースとリューズを備えたたくましい腕時計として、アメリカの俳優シルベスター・スタローンなど有名人で愛用者も多くいらっしゃいます。大きめの時計が好きな方はお薦めです。

パネライの長所:
①大きいサイズとデザインから一目見ただけでパネライと分かりやすい
②一時期は供給量制限から入手が困難なモデルもあったが、現在では供給量が安定している
③手巻きモデルのなかには巻く頻度を減らすためにロングパワーリザーブを持つモデルもある

パネライの短所:
①革ベルトを採用したモデルが多く、定期的にベルト交換が必要になる
②ポリッシュケースは汚れや傷が目立つ
③厚みがあるのでシャツの袖が通りにくい
④低価格帯は凡庸ムーブメントを採用している
⑤自社ムーブメントの作りこみは他ブランドと比べると仕上げ面で甘さが見える

ゼニス

最後はゼニスです。ゼニスは1969年にクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」を発表し、これが業界で絶賛され、かつてはロレックスデイトナにも採用されておりました。

一般的なクロノグラフは60秒で秒針が1周しますが、ゼニスが新しい発明したデファイ エル・プリメロはなんと1秒で秒針が1周します(!)100分の1秒を計測できるクロノグラフはゼニスだけです。

ステータスよりも機械式のメカニカルな動きを楽しみたい方はお薦めできるブランドです。

ゼニスの長所:
①100分の1秒を計測できるクロノグラフ「デファイ エル・プリメロ」の秒針の高速回転を楽しめるのはゼニスだけ
②エル・プリメロ クロノマスターは3万6000振動の高振動でオープンハートから覗いて楽しむことができる

ゼニスの短所:
①日常生活で100分の1秒を計測する機会は少ない
②デファイ エル・プリメロの秒針は1秒で1周するため耐久性に心配がある(ただしゼニスの工場にはエル・プリメロ専用の計測器がある)
③通好みなブランドのため時計に詳しくない一般人に良さが伝わりにくい

最後に・・・ファーストウォッチはどれを選べばいい?

いかがでしたか。今回のコラムでは7大ブランドについてご紹介いたしました。

今回紹介しましたブランドの中でも、ファーストウォッチとしてはデザイン面や購入後のランニングコストを考え、黒や白文字盤といったオーソドックスなデザインで、重すぎず、メーカーの修理体制がきちんとしている、長く使いやすいものを選んだほうが無難だと思います。

例えば、ロレックスは部品保有期間を25年、IWCは永年修理を掲げており、またデザインもTPOを選ばないオーソドックスなものが多いため、長期間OHをしながら使用することができます。こうしたブランドなら、アフターサービスも充実しておりファーストウォッチとして扱いやすく、長く愛用しやすいと思います。

一方で、例えばブライトリングはフルモデルチェンジする頻度が多いうえ部品保有期間も約10年程度に定められており、重量のあるオメガのシーマスターやデカ厚のパネライといった時計は所有者が高齢になると着用が難しくなるなど、一生モノの時計にするのは難しいブランドもございます。また、タグホイヤーやブライトリングのように並行差別があるブランドは買取価格が低く、買い替える場合リセールバリューが期待しにくい事も考慮に入れておく必要があるでしょう。

こうした多くのブランドのなかで、今回のアーティクルがご自身に合う時計探しと機械式の魅力について少しでもお伝えと助力になれば幸いです。

記事執筆者:GTコミュニティブログ編集担当 武井
北口裕貴